資産価値を保ちやすい一戸建て③
前回までに引き続き「資産価値を保ちやすい一戸建て」について、今回はここまでの内容を踏まえ、例をご紹介していきたいと思います。
いろいろなパターンがありますが、様々なライフスタイルへの「対応力」という点でいきますと「二世帯住宅にしやすい間取り」は比較的高い評価を得やすいです。
二世帯住宅での親子の同居に関しては抵抗を感じられる方もいらっしゃるので、実際にどのような使い方をするかについてはここではあまり言及せず、あくまで「対応力」が高い間取りとして例示させて頂きます。
二世帯住宅というのは、親世帯との同居ができるだけでなく「状況に応じて一部を賃貸に転用可能」というのが最大の強みになります。
お子様の独立後、一般的には家の中に使わなくなってしまうスペースが出来がちです。
しかし、二世帯住宅にしやすい間取りであれば、空いたスペースを活用して賃料収入を得ることも期待できるのです。
以前に「家の購入は投資となる」「年金の役割もある」といったことをお話したことがあると思いますが、まさにその一例と言えるものだと思います。
ちなみに、共働き夫婦が増加していく中で、お子様が小さいうちはご両親のサポートを受けたいとの意向から奥様のご実家近くに近居するというケースは増えてきています。
また、高齢化が進み介護等の懸念も増えていくことで、二世帯住宅の需要も増えていくことが予測されています。
しかし二世帯住宅は事例が少なく、中古となると中々手に入りません。
そうしたことから「流通性」という面でも二世帯住宅は有利な形態といえます。
「対応力」も「流通性」も期待できる、つまりは資産価値を保ちやすいと言えるわけです。
さて、ここからは実際に二世帯住宅にしやすい間取りの見極め方をお伝えしたいと思います。
最も重要な点は下記の2点です。
1.水周りの増設はできそうか?
2.玄関の増設はできそうか?
まず、水周りについてはキッチン・お風呂・トイレが無い階に注目します。
一般的に一戸建ての多くは、1階にLDKと水周り、2階に居室という位置関係が多いですが、そういった場合は2階の間取りが重要になってきます。
なるべく柱と壁の位置は変えずに、1階の水周りとなるべく同じ位置に、2階の水周りも配置できると工事は比較的に簡単に済みます。
実際に、建築当初から将来的な二世帯転用を考えている住宅はこのような配置にされていることが多いです。
次に重要なのが玄関の増設可否です。
賃貸用となると外に階段を作れた方が借り手側には喜ばれるのですが、外階段はある程度費用が掛かりますし、建築の制限によって増設できないこともあります。
そこで見ておきたいのが、階段と玄関の位置関係です。
階段を封鎖して室内からの行き来をできなくしたうえで、階段の近くに新たに玄関を配置できるようであれば二世帯への変更は容易です。
ただ、実際の二世帯住宅ですと下の階は1Rだけにして、1階にある水周りは2階の世帯が引き続き使う場合もあるので、この辺りはケースバイケースにはなってきます。
実際の工事可否は専門業者との打合せも必要になりますので、あくまで見分け方の一例としてご参考にして頂けますと幸いです。