資産価値を保ちやすい一戸建て②
さて、前回「資産価値を保ちやすい一戸建て」についての考え方をご紹介させて頂きました。
今回は実際にどのような点をチェックすべきか、例を交えつつご紹介していきたいと思います。
まずは構造の面から見ていきましょう。
一般的に流通している木造住宅は基本的に「在来工法」か「ツーバイフォー」のいずれかです。
「在来工法」とは日本で古くから行われてきた建築方式で、柱や梁で家を支えています。
柱の無い広いお部屋が作りにくいのですが、それ以外の制約は少なく間取りの自由度が高い構造です。
対して「ツーバイフォー」とは規格化された木材を組み合わせて作ったパネルを組み合わせて箱状にしていき、柱ではなく壁全体で家を支える工法です。
外からの力を「面」で受ける為、シンプルでも耐震性の高い、頑丈な造りになっています。
「張り合わせる」という作業は職人の技量による質の差が出にくく、部材が規格化されているので「低コスト・短工期」というのが大きなメリットです。
平たく言えば「質の高さが安定していて、割安な工法」といえます。
しかしデメリットもいくつかあります。
施工の目線から言えば、床から作っていくので施工中の雨の影響を受けやすいことや、大量の釘を使う組立作業は、在来工法に比べ職人の負担が大きいことが挙げられます。
構造上のデメリットとしては「壁=柱」であるために「壁の減少=強度の減少」となることが挙げられます。
具体例として、「大きな窓を作りにくい」「壁を抜いて部屋を繋げるといった壁を減らすリフォームはできない可能性がある」といったところが弱点です。
つまりここでようやく冒頭に繋がりますが、ツーバイフォーは安いが間取り変更がしにくいことは「資産価値の維持」という視点においては注意が必要といえます。
ただ、「ツーバイフォーが悪い」というわけではありません。
使い勝手の良い間取りに変更できるかどうか、確認しておくべきであると認識していただけるといいと思います。
さて、もう一点、構造に起因する注意点をお伝えしておきたいと思います。
これはあまり多くはありませんが、お風呂・トイレなどでとても古いものや、高級物件に見られる特殊仕様には注意が必要です。
特に壁面がタイル張りや、石造りなどの特注品である場合です。
見る機会の多い樹脂やプラスチックで作っているものは、工場で作ったものを運び込んで嵌め込むようなイメージで、取り外しが簡単になっています。
しかしタイル張りのものは、容易に取り外せるようなものではなく、該当する部分を中から壊して解体しなければならない場合があり、大変な手間がかかります。
こういった場合は、リフォーム費用が高額になりやすいので注意が必要です。
もしも購入を検討する場合は、事前にリフォーム費用の見積りはとっておいたほうが良いでしょう。
次回は、ここまでに紹介した注意点も踏まえ、オススメできる間取りの例をご紹介したいと思います。