掘り出し物
皆様のお気持ちとして、「良い物件をなるべく安く買いたい」というのは当然のこと思います。
実際に「掘り出し物」「お宝物件」と言われるような物件を買いたいというご相談を受けることはあります。
しかし、そのご要望に対して正直にお答えするのであれば「不可能と断言はできませんが極めて困難です」というのが、私なりの正直な返答です。
相場よりも非常に安い魅力的な物件というものは稀にですが存在しています。
しかし、そういったものを探すことを仕事にしている不動産会社も存在しており、そういったプロに競り勝たない限り手に入りません。
その道のプロよりも先に情報を入手し、彼らよりも素早く資金繰り等の各種手続きを進めることは実際には不可能に近いことです。
そして、そういった業者は購入後に物件の手入れを行い、経費や利益をのせて、相場から逸脱しない価格で再販売を行います。
ですので「激安物件」というのはそうそう見る機会はなく、もしも見かけた場合はむしろ要注意といえます。
そのまま市場に放流された「理由」があると考えるべきなのです。
「なぜこれほど安いのか?」「なぜ不動産業者が買わないのか?」疑わねばなりません。
こういった物件は「道路に接しておらず建物を建てられない土地」だとか「出入りするには他人の所有地を経由する必要がある」とか「過去に放火があった事故物件」など、それなりの理由がある場合がほとんどです。
ある程度の需要が見込まれるエリアでは「格安」かつ「優良」な物件は、運だけでは手に入らないと考えた方がよいでしょう。
ですので、皆様には危険を伴う格安物件ではなく、「相場相応だが優秀な物件」や「優秀だが相場からそれほど離れていない」といった物件を見つける目を養って頂いた方が良いと思っています。
それでも「格安を」ということであれば、あまり人気ではないエリアや、「一般的には嫌悪されるが自分は気にならない」といったマイナス要素も含んだ探し方をする必要があると思います。
実際に私のお客様でも、物件の目の前一面がお墓の物件で、「私は気にしない。供養もされているだろうし、将来ずっと日当たりが良いのはプラスじゃないか」とおっしゃり格安物件を購入された方がいらっしゃいます。
そういった「世間ではいわくつき」でも「自分にとっては掘り出し物」ということであれば、ご紹介できる可能性は多少高くなるかもしれません。
基本的に不動産の価格には根拠が存在します。
皆様も極端に安い物件にはどうかご注意ください。