不動産業者は沢山周るべきか?
不動産業界は「不透明な部分が多い」と言われており、正直評判が良いとは言えない業界です。
今回はこの不動産業界について「物件探し」に関わる部分に注目して、少しお話させて頂きます。
皆さんは「不動産業者は沢山周るべき」という考えについてどのように思われますでしょうか?
これついて、私としては「正解でもあり、間違いでもある」と思っています。
「なぜ沢山周るべきと考えるか」という目的によるのですが、「掘り出し物の物件を見つける為」であれば、もしかしたら少し間違いかもしれません。
先に結論を申し上げてしまうと、私は掘り出し物の「物件」ではなく「営業担当」を見つける為であれば、「沢山周るべき」だと考えています。
インターネットが普及していなかったころというのは、物件情報は業者ごとに大きく違ったので沢山周る事は間違いなく「正解」でした。
しかし、インターネットが普及したことで『REINS』という不動産業者専用の物件データベースができた為に、そうではなくなっているのです。
我々不動産業者は売主様から売却を依頼されると、何か特殊な事情が無ければこの『REINS』に物件情報を登録します。
そうすると、『REINS』は不動産業者であれば閲覧可能なので、他の不動産業者も新たに登録された物件情報を確認することができるようになります。
つまり、それぞれの不動産業者が得られる物件情報の「量」には、基本的に差が生まれないようになっているのです。
ただ、いくら情報源となるデータベースが同じでもそれを扱う営業担当によって「ヒアリング力」や「提案力」「知識量」には差が存在します。
例え話ですが、希望条件を満たす物件が中々見つからなかったときに、諦めてしまう営業担当もいれば、「確かに○○は不足しているが、▲▲なのでこの物件はオススメです」といった独自の提案をしてくれる営業担当もいるのです。
物件情報は日々入れ替わっています。
昨日は無かった情報が明日には出てくるかもしれません。
単純に「希望条件を満たした物件情報」を見つけ出すだけであれば、質の低い営業担当であっても運とタイミングが良ければできてしまうかもしれません。
しかし、「希望条件は満たしているが買うべきでない物件」や「希望条件を満たしていない部分があっても買ったほうが良い物件」は、質の低い営業担当ですと見極められない可能性があります。
不動産の良し悪しは画一的な条件だけでは判断ができません。
その為に、良い決断をサポートできる営業担当をパートナーとして選んで頂きたく思います。
不動産業者を周る際は、「条件に合った物件情報が出てくるか」だけではなく「今後のマイホーム選びを託せる相手か」という視点こそが重要だと思います。
業者を周るのでしたら、「物件情報」だけではなく「パートナー」を探すことを意識して頂けますと幸いです。
さて、次回は今回のお話に関連したお話をしたいと思っています。
実は未だに「A社では紹介されなかった物件が、B社から紹介してもらえた」ということは起こりえるのですが、これが偶然であれば問題ありません。
しかし、場合によっては「囲い込み」という業界の悪しき習慣である可能性がある為、どのようなことが起きているのか、そういったことをお伝えしたいと思います。