良い間取りの条件 ~マンション編~
今回はマンションの間取りについて、お話していきたいと思います。
間取りについては皆様それぞれにお好みがある為、何が正解かというと難しいところなのですが、プロ目線で「貸しやすい」「売りやすい」と言った資産性の観点に重きをおいて、理由とともにポイントをお伝えさせて頂きます。
1.デッドスペース(特に廊下)が少ない
廊下を効果的に利用し収納を配置した間取りなどは魅力的ではありますが、廊下面積が少ない間取りには良いものが多いです。
お部屋全体の床面積に対し廊下面積が少なければ、その分居室や収納等の有効スペースの面積が大きくなります。
また、廊下を少なくしようとすると必然的にマンションではありがちな「田の字型」の間取りにはならず、「ワイドスパン型」等の人気が高い間取りになりやすい点も評価ポイントです。
※ワイドスパン型とは、2LDKであれば「LDKと2つの居室すべてが横並びになっておりバルコニーに面しているような横長の間取り」を指します。
田の字型で必ずできてしまう共用廊下向きのお部屋が無く、全てのお部屋で開放感を味わえる利点があります。
しかし、横長の間取りは縦長よりも1フロアあたりに作れる部屋数を少なくしてしまう為、マンションを売る側からすると効率が悪く、歓迎されない間取りなので、数が少なくなっています。
その他のデッドスペースとしては柱や梁の少なさが重要になると思います。
しかし近年では、「アウトフレーム工法」「ボイドスラブ工法」など、室内の出っ張りを減らす工法が主流になってきていますので比較的新しい物件を検討する際にはあまり気にならないかもしれません。
2.導線が秀逸
生活しやすいレイアウトになっているかどうかも重要な判断軸になります。
わかりやすいところですと、トイレと洗濯機置場の位置は間取りの良し悪しが現れやすいです。
トイレは、リビングと主寝室から行きやすく、かつ、音と匂いの影響が出にくい位置関係が理想です。
洗濯機置場はお風呂に近い方が良く、バルコニーまでスムーズに移動できる導線が好ましいです。
個人的にはウォークスルークローゼットが上手に配置されている間取りは非常に優秀なものが多いように感じます。
例として「主寝室と脱衣所の間」や、「主寝室側からも玄関横の廊下からも出入りができる」といった配置のものは使い勝手が良い例だと思います。
3.収納の配置が的確
収納は量も重要ですが、配置の的確さが特に重要だと思っています。
どんなに大きなウォークインクローゼットがあっても、クローゼットのない居室があれば、家全体としての使い勝手は一段落ちてしまいます。
しかし、必要十分な収納が随所にあるお部屋は非常に使い心地が良いものです。
居室の服を入れるクローゼット以外にも、キッチン・洗面脱衣所・トイレ・廊下等、それぞれの個所に置きたいものをしまっておけるスペースがあるか否か。
設計の質が高いと、収納を理由に感じるストレスが格段に減りますので要チェックです。