価格交渉
我々としても、皆様としても、中々切り出すキッカケが掴みにくい「価格交渉」について、今回は意を決して、取り上げていきたいと思います。
不動産会社としては、売主様の心情も推察できてしまうので、正直話しにくいところではあるのですが、自分自身が買う立場となれば当然「少しでも安くしたい」と考えると思います。
ですのでここは腹をくくって、お話させて頂きます。
まず結論から申し上げます。
「価格交渉の可否」は「売主様の売却したい気持ちの強さ」に比例します。
もう少し具体的に言えば、
「売却希望時期が近ければ近いほど」
「売却動機が強ければ強いほど」
価格交渉は通りやすくなります。
極端な例を挙げると下記のような状況です。
時期が近い=すぐにでも
動機も強い=売らなければならない
具体的には「返済や税金等の支払い期限が迫っている場合」や、「買い替えで新居を先に契約してしまっている場合」などです。
こうした場合は、多少の値引きをしてでも「売ること」が優先されますので期待値が高いのです。
したがって価格交渉ができそうか知りたいときには、「いつまでに」「なぜ」売却をしたいのかを把握することが重要になります。
売主様に直接聞くのは難しいと思いますので、こういったときこそ、我々不動産業者を活用して頂けると良いと思います。
ちなみに、タイミング次第では価格交渉が難しい場合もありますので併せてお伝えさせて頂きます。
1.「売却開始」又は「価格変更」の直後
いずれの場合も、新しい物件情報を市場に流したばかりですから、売主様としては「焦らずに新しい検討者が現れるのを待ちたい」と考える傾向が強いです。
2.人気物件
条件の良い物件であれば、複数の検討者が同時に現れることは珍しくありません。
見学希望者が多い時は「他に条件の良い申込みが来るかもしれない」と考えられますし、実際に申込みが重なることがあれば条件の良い申込みをお受けすれば良いことになります。
申込みが重なることが懸念される場合、価格交渉は「交渉無しの申込みが他から来れば競り負けてしまう」というリスクを承知のうえで進めなければならない点は注意が必要です。
さて、売主様の状況や、競合する申込みの有無なども把握した上で価格交渉を決断されましたら、あとは強い気持ちで臨むのみとなります。
しかしながら、交渉をするにも通りやすくなる進め方もあるので少し触れておきたいと思います。
まず、ただ闇雲に値引き希望額を伝えるよりも、根拠を示したほうが良いです。
具体的には「キッチンとお風呂などの水周りを中心にリフォームをしたい。見積りを取ったら○万円だった。全額とは言わないがリフォーム費用の半額分について値引きをご検討頂けないか?」といった進め方です。
上記の例ですと、数字の根拠を示しておりわかりやすいうえに、「全額と言わず半額」という歩み寄りの姿勢、「既に見積もりも済ませているほど本気」という複数のアピールが盛り込まれています。
根拠を示した上で、誠実な交渉姿勢や、購入に対する強く前向きな意思も伝えられるようにすると、売主様としても交渉に応じる気持ちが生まれやすいのではないでしょうか。
売主様の趣向によっては根拠よりも「大切に使わせて頂きます」といった「気持ち」を大切にされる方もいらっしゃるのでケースバイケースではありますが、何にせよお相手があっての「売買」ですので、相手の方にあわせた交渉をすることが重要になると思います。