予算の決め方
今回は「実は不動産業者に相談しにくい話題」ランキングがあれば確実に上位に食い込んでくるであろう「予算の決め方」についてです。
ご予算については考え方がたくさんありますので、あくまで一例として、堅実なものを1つご紹介したいと思っております。
が、その前に、不動産業界の営業担当が言いがちな予算の考え方について、ちょっと言いにくいお話もしておこうと思います。
誠実で知識の豊富な営業担当であれば、お客様の状況に応じて無理のないご提案をさせて頂くはずですが、そうでない方もいらっしゃるのが実情です。
ありがちなケースですと「ローン審査が通れば予算内」という考え方です。
営業担当のみの利益を考えればローン審査さえ通過すれば、契約は可能なので、仲介手数料を受け取ることができます。
しかし、「ローン審査が通る」ことと「無理なく返済可能か」は全く別のお話になって参ります。
もう少し掘り下げたいと思います。
不動産営業担当の視点で考えれば「ローン審査が通るか」が重要でしたが、その審査を行っている銀行の視点ではどうでしょうか。
これは不動産営業担当以上にドライで、「審査基準を満たすか」であり、やはり「無理なく返済可能か」ではないことに注意が必要です。
銀行の審査基準は、書類に記入された年収やお勤め先から、申込人の大凡の返済能力を読み取り審査を行っています。
しかし一律の基準では、お子様の出産や成長後の進学先等、現時点では未確定な要素について考慮することは困難です。
今のまま、収入も維持できて支出も大きくは変わらなければ返済は恐らく問題なく可能かもしれません。
しかし、お子様が誕生して奥様が働けなくなった場合はいかがでしょうか?
お子様が成長し、私立への進学を希望される場合の蓄えは可能でしょうか?
銀行はそういったところまでは考慮しておらず、あくまで現状から見れば「貸せる」という判断をしています。
そしてこの銀行の審査基準の根底にある考え方は「返済比率」と呼ばれるものです。
「収入に対して返済金額が何%占めるか」という指標で、一般的に「返済比率が年収の3割強まで」であれば借入可能と言われています。
しかし、先ほど申し上げたように「返済比率」では家族構成やライフイベント等までは考慮することができません。
自分にとって本当に「無理なく返済可能」な金額というのは借入可能額とは別に考える必要があるということです。
細かくはまた後日ご紹介させて頂きますが、できれば、まずはご家族内でライフプランについて話し合ってください。
そして、お子様の成長や進学も見据えたうえで「毎月○円までなら住宅費にできる」と支払金ベースの限界を定めて頂くことが重要だと思います。
そこから総予算の上限を定めていくと無理のない返済計画を作成することができるはずです。
この作業は細かくやると大変難しい作業ですが、大まかなものであれば簡単な表を書けば試算可能です。
よろしければチャレンジしてみて頂き、難しい場合はぜひご相談くださいませ。