賃貸か?購入か?② 賃貸のリスク
今回も引き続き「賃貸か?購入か?」というテーマについて、お話していきたいと思います。
前回「将来にわたってずっと賃貸というのはそれなりにリスクがある」と書かせて頂きました。
まず結論から申し上げますと、「費用面の不安」と「借りにくさ」という2点が最も大きなリスクであると考えられるのですが、一つずつ解説をさせて頂きます。
1.「費用面の不安」
ライフスタイルに流動性が強い間は、賃貸は非常に心強いもので有効に活用すべきであると思います。
しかし、年を経ていったとき、購入した場合はローン完済後については修繕費・管理費・税金等の維持費用は掛かりますが、それ以外の住居費は原則掛からなくなります。
賃貸の場合はずっと家賃が掛かり続けるという点において、大きな差が生まれます。
「ずっと賃貸でいい」という選択は言い換えれば「ずっと家賃を払い続ける」と言う選択にもなるということです。
賃貸に住み続ける場合、年数にもよりますが追々には持ち家よりも多くの支払いが必要となっていく可能性があること、それに耐えうる収入や貯蓄が必要となることを念頭に置いておく必要性があるのです。
老後の収入となると筆頭に挙がるのは年金です。
しかし年金は随時制度が見直されています。
将来的には利便性の確保できるエリアの家賃を、年金だけで賄うことは難しくなっていくかもしれません。
「賃貸が悪い」と言いたいのでは無く、「賃貸は購入よりも老後の住居費が嵩む可能性が高い」というリスクを正しく把握した上で選択をすることが重要です。
2.「借りにくさ」
何となくご存じの方もいらっしゃるかと思うのですが、賃貸はご高齢になればなるほど借りにくくなっていきます。
ずっと同じお部屋に住み続けるのであればあまり問題はありませんが、何かの理由で転居しなければならなくなった時、苦労を強いられるかもしれません。
不動産屋の立場からは少し申し上げにくいのですが、新たにお部屋を借りようとした場合に行われる「入居審査」において「ご高齢の方」はどうしても不利です。
審査では基本的に「毎月の家賃を確実に頂けるか」を重要視する為、年収の金額や安定性等を考慮しており、既にお勤めでなかったり、収入が年金のみといった場合は審査としては厳しくならざるを得ない為です。
また、収入が全く問題ない方であっても、年齢を理由としてオーナーさんから入居を拒否されるケースもあります。
これは、万が一室内で亡くなられてしまわれた場合、そのお部屋が貸しにくくなってしまうことを恐れている為です。
以上のような理由から、将来的には賃貸のお部屋が借りにくくなり、ご自身のご希望に沿ったお部屋選びは困難になってしまう可能性が高いことも賃貸特有のリスクであると言えます。